複合加工機は複数の業界で使われている加工機械の1つです。
ここでは、複合加工機の定義からメリットとデメリットまで説明します。
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複合加工機(複合旋盤)とは?
複合加工機は、その名の通り複数の加工機能を有した機械のことを指します。
複合加工機が有している具体的な機能は、フライス加工、旋盤加工、研削加工などです。
通常であれば、
フライス加工を行なう際はフライス加工機を用いるように、それぞれの機能を有した単機能の加工機械が必要となります。
しかし、複合加工機を用いれば、これら3つの加工を複合加工機1つで行なうことが可能です。
また、複合加工機に似たもので、マシニングセンタというものがあります。
マシニングセンタは、主軸に取り付けた様々な刃を回転させて加工を行なう機械です。
こちらも複数の加工を1度に行なうことができます。
しかし、マシニングセンタは複合加工機とは違い、素材を回転させる旋盤加工を行なうことはできません。
このことから、複合加工機はマシニングセンタよりも可能な加工の種類が多いと言えます。
複合加工機(複合旋盤)のメリット
複合加工機のメリットは以下の5つが挙げられます。
1.加工時間の短縮
2.加工費用の減少
3.加工精度の向上
4.省人化の実現
5,省スペース化の実現
これらを1つずつ解説します。
1.加工時間の短縮
複合加工機を使用せずに、複数の加工機械を用いて製品を製作する場合は、多くの工程が必要とされます。
例えば、3つの加工機械を用いて製品を製作するとします。
この場合、工作物を加工機械に取り付ける作業(チャッキング、またはクランプ)と加工機械から外す作業を最低でも3回以上行なう必要があります。
しかし、複合加工機を使用すれば、この取り外し作業を1回に短縮できます。(ワンチャッキング)
そのため、複合加工機を使用することにより、加工時間を短縮することが可能です。
これにより、製品の短納期の納品も実現できます。
2.加工費用の減少
複数の加工機械を使用して製品を製作する際は、使用する機械の数だけ費用が上昇します。
その要因としては従業員の労働時間や、加工を行なう際の潤滑油の消耗量などが挙げられます。
しかし、これらの要因よりも加工費用を上昇させる要因があります。
それは、工作物を加工機械に取り付ける時に必要である治具です。
複数の加工機械を使用すると、それぞれの加工機械に合わせた治具が必要になります。
そのため、必然的に加工費用が高くなってしまいます。
しかし、複合加工機を使用すれば、必要な治具を1種類に抑えることができます。
そのため、複合加工機を使用すれば、従業員の労働時間や潤滑油の消耗量を抑制するのみならず、治具費も抑制することにより、加工費用を減少させることが可能です。
3.加工精度の向上
複数の加工機械を使用する際に、工作物の取り外し作業を何度も行なうと、加工精度が低くなる恐れがあります。
これは、取り外し作業を行なう際に、直角度・平行度・傾斜度などの姿勢公差が大きくなりかねないためです。
しかし、複合加工機を使用すれば、取り外し作業を1回に抑えることが可能なので、姿勢公差を最小限に抑えることが可能です。
そのため、複合加工機を使用した際は加工精度が向上し、高品質な製品を製作することが可能になります。
4.省人化の実現
複数の加工機を使用する場合は、それぞれの加工機械で作業を行なう従業員が必要になります。
しかし、複合加工機を使用すれば、加工機械を操作する従業員を最低1人にまで抑えることが可能です。
これにより、省人化を実現できます。
5.省スペース化の実現
複数の加工機械を使用する際は、それぞれの機械を設置する場所が必要になります。
しかし、複合加工機を使用すれば、設置する加工機械は1つだけです。
それぞれの単機能の加工機械と大きさを比較すると、複合加工機のほうが大きい場合もあります。
しかし、単機能の加工機械を複数台設置するよりも、複合加工機を1台設置するほうが、工場内の省スペース化に繋がります。
複合加工機(複合旋盤)のデメリット
複合加工機のデメリットは大きく分けて以下の3つが挙げられます。
1.設備費用が高価
2.単機能の加工機械に、加工速度で劣る
3.複数工程の同時加工ができない
1.設備費用が高価
複合加工機のデメリットとして第一に挙げられものは設備費用です。
単機能の加工機械より多くの機能を有しているため、どうしても設備費用は高価になってしまいます。
しかし、必要な加工の数だけ、単機能の加工機械を購入するより、費用を抑えることは可能です。
2.単機能の加工機械に、加工速度で劣る
単機能の加工機械と、複合加工機のそれぞれの加工機能の加工速度を比較すると、複合加工機は単機能の加工機械よりも加工速度に劣ります。
しかし、メリットの項目でも述べた通り、工作材の取り外し作業などを考慮すると、結果的に複合加工機を使用したほうが、製品を1つを製作する速度が早くなることが多いです。
3.複数工程の同時加工ができない
複合加工機を使用する際に、一度に複数の加工を行なうことはできません。
また、複合加工機1台のみで、他の単機能の加工機械の役割を担うことは、加工時間を考慮すると、あまり現実的ではありません。
却って、生産性が落ちてしまいかねないためです。
そのため、複数台の複合加工機を使用する、または単機能の加工機械と複合加工機を併用することが望ましいです。
これにより、単機能の加工機械のみを使用するよりも、生産性を向上させることが可能です。
複合加工機(複合旋盤)でできる加工
複合加工機では、自動旋盤で対応できる穴あけ加工や端面削り加工等、多様な加工に対応ができます。
以下のコラムで詳しく解説していますので、是非ご確認下さい。
>>技術コラム:「自動旋盤(自動盤)でできる加工を事例とともに解説!」
複合加工機(複合旋盤)による加工事例
ここでは、当社の複合加工機(複合旋盤)による加工事例をご紹介します。
複合加工機・複合旋盤 加工事例①:特殊インサート
こちらは、半導体製造装置用のバルブハンドル部品の加工事例になります。 材質はC3604で、旋盤加工、ミーリング加工を施して、製作を行ないました。
>>詳しくはこちら
複合加工機・複合旋盤 事例②:ノズル
こちらは、産業機器用ノズルの加工事例になります。 材質はSUS303で、旋盤加工に加え、内径ねじ加工、外径ねじ加工、クロス穴加工を施し、製作を行ないました。 こちらの製品の加工におけるポイントは、 内径段付き加工を高精度に行なっている点と、軸部のテーパー形状の管理寸法±2μ以内を実現している点です。
複合加工機・複合旋盤 事例③:医療機器用レンズ枠
医療機器用のレンズ枠を製作した事例です。医療機器の部品として用いられるため要求精度が非常に高い点が特徴です。
外径レンジ公差0.01、内径レンジ公差0.01、内径のテーパー穴も含め、全ての真円度が0.01と非常に寸法公差となっています。加工はもちろんですが、品質管理でも要求が高かった製品ですが、当社が持つ加工ノウハウと品質管理体制により、お客様ご要望にお応えしています。
当社の複合旋盤加工の特徴
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