近年、技術の進歩により、自動車や航空機、医療機器など、様々な機械で高機能化や高強度化が進んでいます。その進歩を支えている要因の一つに材質の開発があります。硬度が高かったり、熱伝導率が低いなどの性質を持つ材質は付加価値が高い一方で、加工が難しいことが多いです。そういった材質の中でも切削加工が困難な材質を難削材といいます。

以下では、難削材にはどのような種類があり、それぞれがどのような特徴を持っているのかについてお伝えします。

難削材とは?

難削材とは、文字通り切削加工が困難な材質のことを言います。難削材は、いくつかに分類することができます。それは、難削材の素材特性により、加工設備・加工条件・切削工具に及ぼす影響が大きく異なるからです。

難削材は加工難易度が高い一方で、耐摩耗性・耐熱性・耐食性など様々な特性を持っているため、製品の高機能化、高品質化には欠かせない材料です。

難削材の種類

難削材には、その特性により様々な種類があります。

以下に難削材の性質とその性質も持つ材質の例をまとめています。

硬度が高い
→切粉処理性が悪い
超耐熱合金・チタン合金・ステンレス等
熱伝導率が低い
→工具寿命が短い
高硬度鋼(焼入鋼、ダイス鋼、高速度工具鋼、
プリハードン鋼)・Co基超耐熱合金(ステライト 等)等
加工硬化性が高い
→チッピングが大きい
インコネル・ハステロイ・ワスパロイ・耐熱鋼・
高マンガン鋼等
工具材種との親和性が大きい
→切削抵抗が大きい
純チタン・ステンレス鋼・チタン合金・超耐熱鋼等
熱膨張率が大きい
→刃先の摩耗が大きい
ステンレス鋼等

難削材の切削条件

難削材の切削加工を行なうには、切削時の加工条件を最適化させることが重要です。

機械加工を行なう上での重要な切削条件には、工作機械の剛性・保持具の剛性・切削速度・切削工具等があります

工作機械の剛性

工作機械の剛性は、機械加工をする上では”全ての精度がここで決まる”と言っても過言ではありません。工作機械の自重が軽いと、重い被削物を加工するときや高速回転で加工するときに芯が振れてしまい高精度の加工ができないため、自重の重い据付けで剛性の高い工作機械を用いることが望ましいです。

保持具の剛性

切削を行なうときに切削工具を保持する部分は、振れ精度・送り精度に関わる重要な役割を担っています。そのため、保持具の剛性は難削材を加工する上で重要なポイントになります。

切削速度

工作物を加工する場合、機械の剛性不足による振動や切削面の摩擦等により、仕上げ面に悪影響が及ぶことがあります。個々の機械の剛性や、被削材の違いにより最適な切削速度を選定することが重要です。

切削工具

難削材は、上で挙げたようにその特性により様々な種類があります。

硬度が高い事に特徴がある難削材もあれば、熱伝導率の低い難削材もあります。そのため、それぞれの特性に合った切削工具を選定し、加工を行なうことが重要になります。

難削材の加工事例

ここでは、当社の難削材の加工事例をご紹介します。

霧化電極プローブ|自動旋盤加工 コストダウンセンター.com

霧化電極プローブ

こちらは、イオン発生装置先端子の加工事例になります。材質はチタンで、旋盤加工により製作を行ないました。 こちらの製品の加工におけるポイントは、バリなしの加工を行なっている点と、全数の外観検査を行なっている点です。

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グランドナット|自動旋盤加工 コストダウンセンター.com

グランドナット

こちらは、産業用バルブに使用されるグラインドナットの加工事例になります。 材質は、SUS303で、旋盤加工、内径ねじ加工、外径ねじ加工を施して、製作を行ないました。

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難削材の加工、量産なら当社にお任せください!

自動旋盤加工 コストダウンセンター.comを運営する株式会社フジタイトは、NC自動複合旋盤を用いた量産加工を得意としています。

ステンレスをはじめ、チタン、インコネル、ハステロイなどの難削材の切削加工も行なっております。難削材の量産加工でお困りのことがございましたら、ぜひ当社までお問い合わせください。

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