従来までの旋盤加工やフライス加工では、手動にて素材の取り付けから加工までを行なう必要があります。作業者の熟練度が必要となり、人手がかかることから量産が難しい側面がありました。その後、NC旋盤やマシニングセンタの登場により、高精度部品を量産することが可能となり、高精度切削加工の生産性が上がりました。そのNC旋盤、マシニングセンタの特徴、それぞれの違いが何かを以下でお伝えします。
NC旋盤とは？
NC旋盤とは、旋盤加工と行なう機械の種類の一つで、数値制御をもとに、あらかじめ設定した手順で数種類のバイトを使い分けて自動加工を行なうものです。
旋盤加工とは、材料を取り付けた主軸を回転させ、回転した材料にに刃物をあてることで成形する加工方法です。旋盤加工を行なうことで、材料の「外丸削り」のほか、「テーパー削り」、「中ぐり」、「端面削り」などの加工を行なうことが可能です。
NC旋盤の特徴
生産性が高い
旋盤加工で、従来使われていた機械を汎用旋盤といいますが、汎用旋盤では、人手によるハンドル操作で金属の加工を行なっており、刃物の交換も人が行なう必要があったため、熟練作業者の技術が必要でした。
一方、NC旋盤では、数値制御の下で、刃物の送り速度などの切削条件や刃物の交換が自動化されるため、一人で複数台の操作を行なう事が可能です。
そのため、NC旋盤は、少ない人手で生産活動を行なうことができ、生産性が高いです。
高精度の加工が可能
NC旋盤では、1μm単位での位置決めが可能です。そのため、高い精度を求められる精密部品の加工が可能で、従来では難しかった精度の部品加工も可能となります。
繰り返し精度が高い
NC旋盤では、加工の手順があらかじめ数値制御によって設定されているため、プログラム通りに加工が行なわれることになります。そのため、完成品の精度が均一となるため、高精度な製品の量産が可能となります。
NC旋盤は、精密部品の量産が必要な場合に力を発揮する機械と言えます。
マシニングセンタとは
マシニングセンタとは、日本工作機械工業会で、
「中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工を連続で行なえるNC工作機械」
と定義されています。
加工に必要な作業工程などを数値によってコントロールできる「NC工作機械」に、「自動工具交換装置（ATC）」が付いている機械がマシニングセンタと言われます。
マシニングセンタの特徴
ここからは、マシニングセンタの特徴について解説していきます。
繰り返し精度が高い
NC旋盤と同じように、マシニングセンタでは、加工の手順があらかじめ数値制御によって設定されているため、プログラム通りに加工が行なわれることになります。そのため、作業者の熟練度に左右されることなく、安定した形状精度を実現することが可能です。
生産性が高い
こちらもNC旋盤と同じ理屈にはなりますが、数値制御の下で、刃物の送り速度などの切削条件や刃物の交換が自動化されるため、マシニングセンタでも生産性高く加工を行なうことができます。
安全性が高い
マシニングセンタに備わっているATCによって、工具は自動で交換されます。そのため、人が刃物に触れる機会を低減することにより、作業者の安全性向上に繋がります。
マシニングセンタの種類
ここでは、マシニングセンタの種類についてご説明します。
横型マシニングセンタ
横型マシニングセンタは、工具を地面に対して水平方向に取り付けられ、X軸、Y軸、Z軸方向に稼働できるため、3次元での加工が可能です。横型マシニングセンタは、高い加工精度が必要な精密小物部品加工に向いています。また、自動で部品の輸送作業を行なうパレットチェンジャーを装備できるため大量生産も可能です。
立型マシニングセンタ
立型マシニングセンタでは、工具を垂直(立)方向に取り付け、固定した材料を縦方向から削っていきます。立型マシニングセンタによる加工では、1面を加工する箇所が多い、金型など多品種で少量生産する場合に適しています。
門型マシニングセンタ
門型マシニングセンタは機械が門の形をしており、材料を置くテーブルが広くて長いです。門型マシニングセンタでは、大型の製品を加工する際に用いられます。
NC旋盤とマシニングセンタの特徴、違いについて
NC旋盤とマシニングセンタは、両方ともNCと呼ばれる数値制御によって切削加工を行なう工作機械の種類です。
そのため、上で挙げた特徴も両者とも似たようなものになっていました。
では、NC旋盤と、マシニングセンタにはどのような違いがあるのでしょうか。
NC旋盤は、回転する材料に刃物をあてて、旋盤加工を行なう工作機械です。
そのため、NC旋盤による加工は、円筒状の製品の製造に向いているという特徴があります。
また、マシニングセンタは、回転した工具を固定した材料にあてることで加工を行ないます。
そのため、マシニングセンタによる加工は角物の加工に適しています。
近年では、NC旋盤にマシニングセンタの様な機能を搭載した『複合機』という機械も活用されており、当社でも複合機を活用して加工を行なっております。
複合機を活用することで、丸物の加工と、クロス穴あけや、偏心穴加工を一工程で行なうことができます。
そのため複合機による加工では、複雑形状の部品も1工程で加工を行なう事ができ、生産性も高い為、量産加工も可能です。
NC旋盤、マシニングセンタによる加工事例
当社のNC旋盤、マシニングセンタによる加工事例をご紹介します。
特殊インサート
こちらは、半導体製造装置用のバルブハンドル部品の加工事例になります。 材質はC3604で、旋盤加工、ミーリング加工を施して、製作を行ないました。
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切削加工は当社にお任せください
自動旋盤加工 コストダウンセンター.comでは、複合自動旋盤を用いた量産を得意としています。快削材から、チタンやインコネルなどの難削材まで量産実績がございます。
また、材質変更や加工工程の低減などによるコストダウンなど、VA/VE提案も多く行なってきました。切削加工の量産、コストダウンでお困りの方はぜひ当社までお問い合わせください。
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