A5052の特徴

A5052は、アルミニウム合金の一種であり、アルミニウム合金の中でも流通量が多い材料として、知られています。A5052の特徴として、以下があります。

①耐食性
A5052は、耐食性が高いアルミニウム合金です。アルミニウム合金自体が耐食性に優れる合金ではありますが、マグネシウムを添加したA5052は、他のアルミニウム材料と比較して耐食性に優れます。

②加工性
A5052はアルミニウム合金の中でも切削性に優れます。さらに、マグネシウムが添加されているため溶接性が向上しています。そのため、複雑形状が求められる製品の材料として多く使用されています。

耐食性、加工性が高いという特性と、アルミニウム合金の軽量性という特徴を生かし、自動車部品をはじめ多様な業界で使用される材質です。

A5052とA5056

A5052とA5056は、ともに5000番台のアルミニウム合金であり似た特性を持ちますが、以下のような違いがあります。

①化学成分
A5052とA5056を比較すると、マグネシウムの含有量に違いがあります。A5056の方がマグネシウムの含有量が多く、A5052のマグネシウム含有量は5000番台のアルミニウム合金の中で中程度となります。

②加工性
上記の通り、A5056の方がマグネシウム含有量が多く、A5052と比較しA5056の方が、切削性が向上しています。

③溶接性
加工性はA5056の方が優れますが、A5052の方が溶接性に優れ、溶接が必要な場合はA5052が選定されることが多くなります。

④陽極酸化処理性
アルミニウム合金は耐食性向上のためアルマイト処理(表面処理)が施されますが、A5052よりA5056の方がアルマイト後の仕上がりがよくなります。そのため、外観部品などではA5056が用いられることが多いです。