機械部品ニップルの基礎知識

①ニップルとは?

 ニップル(英:nipple)は、パイプ同士を繋ぐ継ぎ手(軸継手)の役割を果たす機械部品です。ニップル自身も管形状で、旋盤加工による削り出しとねじ切りが施されているのが一般的です。継ぎ管と呼ばれることもあり、ガス管や水道管等のパイプを自由に曲げて繋げたい場合に使用されるというのが主な用途になります。

 ニップルは、両端にねじ切り加工を施しますが、おねじではなくめねじです。ニップルに似たような部品としてユニオンというものがありますが、こちらは両端がおねじになっています。用途としては、設置した配管を方向転換させたいという場合に回せないという事態を避けるために使用されることが多く、ニップルと併用されることもあります。

 使用される場所としては。工場の生産設備から一般家庭まで幅広く使用されています。

②ニップルの種類

 ニップルについて一通り理解していただいたところで、ニップルの種類についてご紹介します。

 バレルニップルは、樽の形をしたニップルになります。中心がやや膨らんでおり比較的長さも短いことから、短ニップル、丸ニップルと呼ぶこともあります。

 径違い(異径)ニップルは、左右のめねじの外径が異なるニップルのことを指します。太さが異なるパイプ同士を接続する場合に使用されます。

 この他、長さがあるロングニップルやパイプ接続の潤滑を目的とするグリースニップルといったものもよく使われています。

ニップルをつくる旋盤加工とは?

 前述のニップルやシャフト、ボルトといったいわゆる「丸物」を加工する際によく用いられるのが旋盤加工です。

 旋盤加工とは、工作機械の一つである旋盤(英:lathe)を用いた切削加工の一つです。切削加工というと、フライス盤を用いたフライス加工(ミーリング加工)やマシニングセンタ(MC)によるマシニング加工もあります。

 旋盤加工の特徴は、回転するワークに固定された工具を押し当てて材料を削り取るため、円筒形状(丸物)の加工が得意である点です。ねじ切り加工やテーパー加工(先細形状加工)といった加工も旋盤で行なうことが可能です。一方、フライス加工は、スピンドル(主軸)に取り付けたエンドミルやドリル等の切削工具を回転させ、それをワーク(被削材)に当てることで削る方法になります。

 特にニップルを製作する場合は、めねじのねじ切り加工が必須となるうえ。ニップルの種類によってはテーパー加工も行なう場合があります。

ニップルの旋盤加工における重要なポイント

①強度・精度

 ここまでご説明してきた通り、ニップルは配管と配管を接続する役割を果たす機械部品になります。ニップルと配管はめねじとおねじで繋ぐことになりますが、締める際はかなり強い力がかかります。ここで重要なのが、トルク(ねじりモーメント)と呼ばれる外部からの力に耐えられるだけの強度を満たすことです。さらに、ねじ切り加工の精度も重要です。接続するおねじと噛み合うようにねじ切りが施されていなければ、上手く繋ぐことができません。したがって、ニップルの加工を発注する場合は、設計仕様に沿った強度・精度を充分満足するだけの高い旋盤加工技術を持っているかどうかを事前に確認しておくことを強くおすすめします。

②腐食対策(防錆処理)

 水道管として用いられることが多いうえ、屋外用の配管に取り付けられることもよくあるニップル。したがって必須となるのが、腐食対策。パイプ同士の継ぎ手であるニップルがさびてしまい、そこから水漏れやガス漏れが発生してしまうというトラブルは少なくありません。そのため、めっき処理を施すか、耐食性を重視する場合はSUS系の材質を採用するといった対策が求められます。

ニップルの旋盤加工なら当社まで!

 当社フジタイトは、NC自動複合旋盤を用いた旋盤加工を得意としております。刃物を自社で製作しており、製品ごとに最適な加工方法を選択することができるため、ステンレス、チタンといった難削材の加工にも対応しております。また、VA・VE提案についても豊富な実績がございます。

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